当院の手がけた症例 2010年4月17日に行われたCDC50周年記念講演会「"長期安定"への道のりを探る スタディクラブ50年の歩み」で発表した症例です。初診から21年が経過しました。→概要 開業して2年目に来院された25歳の女性。右下奥歯が痛むことを主訴に来院。術者年齢32歳。 侵襲性歯周病の疑いもありますが、歯周病の治療は基本同じで歯周初期治療を開始。歯科衛生士は不在で自分一人で歯周初期治療を行う。初診時のX線です。 約半年後、歯周初期治療が終わった状態。この間ブラッシングとスケーリングのみの施術です。 全顎的な治療なので時間がかかります。1年4ヶ月後の治療途中の口腔内写真です。右上1は保存不可と判定し抜歯。 その治療途中のX線。右上5も抜歯。当時は抜歯の判定に苦慮。今この患者さんが来院したら右上1、5ともに抜歯はしません。 2年6ヶ月後の治療途中です。ここに至るまでに歯周外科処理を行っております。今の自分の中では歯周外科という選択肢はありません。 治療開始から3年2ヶ月かけて治療終了。患者の希望により補綴物は保険範囲内で対応。初診から治療終了まで衛生士不在で自分一人で全て対処しています。 ここからメインテナンスに入ります。大きな問題はないのですが少しづつ歯肉の腫れが気になるようになりました。 最初のメインテナンス時のX線。X線上では特に問題なし。 初診から5年5ヶ月が経過。ご自身のブラッシングの努力のおかげで歯肉も特に問題ありません。 初診から6年8ヶ月が経過。特に問題なし。 初診から6年9ヶ月が経過。特に問題なし。 その後安定していたため口腔内写真とX線は撮影せず。年に数回定期的にメインテナンスで来院。初診から21年が経過。 初診から21年経過時のX線。患者さんの努力のおかげで約21年大きなトラブルなく順調に経過しております。 今の歯科は「抜歯→インプラント→全顎的に削りMBによる審美治療」の流れなので、この21年の経過症例をどれだけの歯科医師が理解できるのだろうか。