治療途中の方へ
治療の途中で何らかの理由から歯医者に通えずそのままであったり、金属や詰め物が取れてそのままの方も多くいらっしゃいます。
大抵は腫れてしまったりお痛みが出てしまい、それをきっかけとして来られる方が多いのですが、何年も放置状態で腫れやお痛みもないのに来院された場合は、何をきっかけとして来院されたのかを探ることが大切だと考えています。
例えば「結婚式が近づいて…」というような時間的要素があるならば、それに合わせた治療計画になりますし、誰かに「口臭がある」と言われたならば、実際に口臭があるのか、心理的口臭ではないのか、など心理面においても考える必要があるので、「その背景にあるもの」を考慮に入れ全力を尽くし治療に入ります。
もし痛みや腫れ以外で来院される場合に明確な理由があるならば、その旨を教えていただけると助かります。
中には放置してしまったことで「怒られる」と思われ、なかなか行きにくかったと伝えられる場合もありますが、怒ったり蔑むようなことは決してないので、その点に関しては心配なさらずにお越しください。
そもそも自分は歯科医師になって30年近く経ち(2024年時)、その間歯科の勉強をし、今もそれはしていますが、患者さんと比べてほんの少しだけ歯の知識があるだけで、上でもなく、下でもなく、同じ立ち位置だと考えています。
これは「患者様」でもなく、「患者」でもなく、「患者さん」という表現を使っているのはこのような考えからです。
もし仮に脱離などの治療途中の歯が多かったり、むし歯が多くお口を診られるのが恥ずかしいと思われていたとしても、それも気にされる必要は全然ありません。
自分は毎日、治療を必要とされる患者さんと接していて、それが仕事でありますし、残っている全部の歯のほとんどが抜歯になりそうで治療計画に苦慮するような患者さんを何人も診ておりますので、気になさらず来院されて下さい。
ただ根の治療途中で放置してしまうと、中でむし歯が進みやすく、それは抜歯へと近づきます。もし他院で根の治療途中の場合は、できるだけ早めに続きの治療をすることをお勧めしています。
特に大事なのは、その歯医者さんが通える範囲ないであるかどうかです。
これは初診時でも確認していて、自分の考える歯科は治療も定期検診も1回で終わるものではなく、「かかりつけ」が大事だと考えています。
時間帯や距離含めて、治療が最後まで通えるのか。
歯科医の考えは人それぞれで、それは診断も同じ。
その時その時で歯医者を変えることはあまり歯にとっては良いことではなく、一つのかかりつけ歯科医を決め、そこに通い続けることが歯を保つ大切なことへと繋がります。