現在、細川歯科医院では主に保険診療を行っています。

 

被せ物や詰め物を行う場合は、費用が3,500円～7,000円程度となり、少し高く感じるかもしれませんが、通常の診療では1回あたり1,000円～3,000円程度です。

 

突然高額な費用を提示することはありませんので、安心してご来院ください。

 

私は卒業後、自費診療を中心とする医院に勤務していました。

 

ここでいう自費診療とは、単に1本の歯を治療するのではなく、「口全体のかみ合わせを整え、セラミックや金属の入れ歯に取り替えて、上手に噛めるようにする」といった高額な治療を指します。

 

こうした治療は100万円、200万円、時にはそれ以上かかることもあります。そのため、勉強と研鑽が不可欠で、常に技術向上を目指していました。

 

一方、保険診療ではどれだけ手間をかけても、対価は保険点数で決まっており、時間と手間をかければかけるほど、実際には赤字になりがちです。

 

勉強していく中で、より高価な材料や完璧な治療を施したくなるものですが、保険診療ではそれができません。

 

このような限界を感じる歯科医師は少なくなく、勉強している歯科医院ほど、保険診療から自費診療へとシフトしていく傾向が強いと考えています。

 

私も開業当初は、自費診療を中心に運営することを考えていました。しかし、30歳で板橋本町駅に開業してみると、現実は異なりました。資料を集め、カウンセリングで自費治療のメリットをしっかり説明すれば、患者さんが納得して自費診療に移行するだろうと考えていたのですが、実際には100万、200万という大きな金額を支払うことは簡単ではありませんでした。

 

そのため、当初の計画を見直し、保険診療をメインに、必要に応じて自費診療を提供する形に方針転換しました。

 

また、治療の中で「精密な適合がむし歯の再発を防ぐ」と信じていた私ですが、実際に臨床で多くのケースを経験してみると、適合が悪い被せ物でもむし歯が発生していない場合が多いことに驚きました。

 

逆に、精密な治療を施しても、甘いものを頻繁に食べている人はすぐにむし歯になり、適合が悪くても食生活に気をつけている人はむし歯が少ないということに気づきました。

 

そのため、歯科治療においては、ただ精密に治療を行うだけではなく、患者さんの食生活の改善も重要だと実感しています。

 

精密な治療はむし歯になりにくいことは確かですが、経済的に余裕があれば自費診療が理想的です。

 

ただし、無理に自費治療を勧めることはせず、「無理なくできる範囲で、自費診療を選ぶことができれば理想的」というスタンスで治療を行っています。