治療介入を少なく
昔は早期発見・早期治療の歯科治療でした。
まだこの概念を持っている先生も多くいらっしゃると思います。
そして削って治してもらった方が安心と思われる患者さんも多くいらっしゃいます。
今の歯科治療の大半は、その治療した箇所からむし歯が再発したやり直しの治療です。
このやり直しの治療を6~7回行うと、その次の処置が「抜歯」となります。
処置をすれば当然歯を削ることになり、治療すればするほど残っている歯は薄くなり、それは噛んだ時に割れる「歯根破折」へと繋がります。
歯根破折は抜歯となります。
自分も以前は悪い箇所、悪くなりそうな箇所を「予知性」という名の基に、全顎的に大掛かりな治療を行ってきました。
ただ、長く臨床を経験していくうちに「治療したこと」と「長持ちすること」はイコールではないということに気づきまし
た。
そして治療介入は少なくした方が長持ちすると思うようになり、今はできるだけ治療介入は少なくするようにしています。
ただ、治療介入を少なくと言っても、悪くなる箇所をそのまま放置するのではありません。
診査により「踏み込むべき」と判断した箇所に関しては、患者さんの同意得てから踏み込むようにしています。