歯周病治療
歯周病が重度であったり治りが悪い場合、一般的には歯周外科処置に移行することがあります。
しかし、細川歯科医院では現在、麻酔を使用した歯周治療は行っていません。
30代の頃、自分は歯周病を徹底的に治そうと、術者が積極的に介入する歯周治療を行っていました。
確かに、歯周外科を行うと歯周ポケットがなくなり、一時的には歯肉の状態が改善することを実感しました。
しかし、その後、時間が経つと再び歯肉が腫れるケースが多く見られるようになりました。
この原因を探るために1年以上かかりましたが、最終的に問題の根本が患者さんの生活習慣にあることが分かりました。
その過程で、片山恒夫先生の「オーラルフィジオセラピー」という治療法に出会い、現在では患者さんに対し、長時間のブラッシングを指導することに重点を置いています。
また、通常は「初診から治療終了まで」を治療期間と考えることが多いですが、細川歯科医院ではこのような区切りを設けていません。
治療終了後に入っていく3~4ヶ月ごとのメインテナンスも治療の一環と考えています。
つまり、短期間で歯周病を治すのではなく、患者さんと時間をかけて向き合い、メインテナンスを通して歯肉の回復をじっくり見守る方針です。
治療終了のゴールは、患者さんとの長いお付き合いの中で見えてくるものだと考えています。
※下は30代の頃の積極的に介入していた時期に書いたHPの内容です。
歯周病治療1
初診時25歳の女性の症例
初診時と6ヶ月後の状態の違いがおわかりいただけるであろうか?
歯周病という病気は様々な因子が絡み合って発症する病気であるが故
絡み合った糸を一つ一つ取り除く処置が必要となる。
その処置自体は大変なものであるが
患者自身が「やる気」を起こせばその強固に絡み合った糸は自然に解け
歯周治療の8割は成功したと言っても過言ではない。
つまり歯周病は我々医療従事者が大がかりな処置をせずとも
患者が自然に治してしまう病気を意味する。
この症例での6ヶ月での顕著な歯肉の変化は患者自身の頑張った成果の賜であり
我々は彼女の頑張りをサポートしたに過ぎない。
今後いかにこの状態を維持していくかが我々の役目となる。
歯周病治療2
そして歯周治療とは歯肉の治り(その人の生体反応)を見て
むし歯や噛み合わせ治療と平行しながら全体的に処置する治療である。
そのため数週間、いや数ヶ月という短期間で治療を終えた場合
その歯周病の治癒というものはある意味「見せかけの治癒」というものであり
再発する可能性が非常に高い。
それ故に細川歯科医院では
短期間での治療の要望には申し訳ないが応じないことにしている。
この患者は初診から2年以上が経過しやっと最終義歯を装着することができた。
患者が頑張ると我々医療従事者もやる気が起こる。
2年以上通い続けてくれた患者に常々感謝している。
この症例での6ヶ月での顕著な歯肉の変化は患者自身の頑張った成果の賜であり
我々は彼女の頑張りをサポートしたに過ぎない。
今後いかにこの状態を維持していくかが我々の役目となる。
歯周病治療3
歯周治療を行う上で場合によっては矯正治療も必要となる。
基本としての「ブラッシング」が重要となってくるのだが、よりお手入れしやすい環境を与えることもその予後を大きく左右する。
一見矯正治療は10代、20代の治療のように思われがちだが、30代、40代で行うことも、この先の「安定性」ということを考えると非常に有意義な治療となる。
前述した「歯周治療1」「歯周治療2」で述べたように歯周治療というものは長い時間経過の中で対応するものであり、かつその後の経過を追い続ける治療でもある。
手術や含嗽剤(うがい薬)で治るというものではなく、また治療終了という言葉も歯周治療においては相応しいものではない。