コンセプト

細川歯科医院の目標


むし歯や歯周病といった疾患によって、一度失われてしまったお口の健康を、本当の意味で取り戻し、将来にわたって守り続けていくためには、歯科医師が行う治療の技術や内容そのもの以上に、患者さまご自身が現在のお口の状態や、そこに至った原因と真摯に向き合うことが欠かせません。
「なぜこうなったのか」「これからどうしていきたいのか」を自分自身に問いかけ、理解しようとする心の姿勢の変化や気づきこそが、何よりも重要なのです。

もしも、「なぜ、ここまで症状が進行してしまったのか」という根本的な背景を振り返ることなく、痛みを取ることや見た目を整えることだけを歯科医院に任せきりにし、「治してもらえばそれで終わり」という依存的な気持ちを抱えたままでいると、たとえどれほど精密で質の高い治療を受けたとしても、生活習慣や考え方が変わらない限り、遠くない将来に同じ問題を繰り返してしまう可能性は決して低くありません。

私たち細川歯科医院が目指しているのは、単に歯を削って詰め物をするだけの場所ではありません。
患者さまが「歯医者任せ」という状態から一歩踏み出し、日々の食事の内容や食べ方、毎日の歯磨きやセルフケアの習慣、さらには全身の健康にも大きく影響する生活スタイルそのものを丁寧に見つめ直し、無理のない形で前向きに改善へ取り組んでいただくためのパートナーでありたいと考えています。

また、お口のトラブルの背景には、知らず知らずのうちに積み重なったストレスや心身の負担が深く関わっていることも少なくありません。
そのため、ご自身に合ったストレスとの向き合い方や解消法を共に見つけ出し、最終的には歯科医院に頼り切ることなく、ご自身の力で健康な状態を維持し続けられる「真の自立」に到達していただけるよう、私たちは全力でサポートしてまいります。


5つのお約束

  1. 一生涯、ご自分の歯で美しく食事ができるよう歯科として最大のお手伝いをさせていただきます。
  2. 安心・リラックスして治療を受けていただけるよう常におもてなしの心を忘れずに、温かい院内環境作りを徹底します。
  3. 知識と技術の研鑽に努め、最高の治療を提供できる医院を目指します。
  4. 押しつけの医療を決して行うことなく患者さまにとって本当に適切な治療計画をQOLを考慮し立案いたします。
  5. 完全予約制を導入し、診療時間内での診療を心掛けご予約時間以降お待たせしないよう、努めて参ります。

心温まる診療を目指して

数ある歯科医院の中から、こうして当院のホームページをご覧いただけたことは、私にとって一つの大切なご縁であると感じております。
そしてさらに、実際に細川歯科医院へ足を運んでくださるということも、決して偶然ではなく、何かしら深く、そして尊い結びつきがあってのことだと、私は心から信じております。

私は、この「人と人との出会い」から始まるつながりを、何よりも大切にしたいと考えています。
医療に携わる一人の人間として、私の目の前にいらっしゃるのは、単に症状を抱えた患者さまではありません。不安や恐れ、痛みと向き合いながら来院されている、「かけがえのない一人の人」であるということを、常に心に刻み、誠意をもって向き合う姿勢を忘れないよう努めています。

患者さまが余計な緊張を感じることなく、心からリラックスして治療を受けていただけるよう、我が家に帰ってきたかのような温かさを感じていただける、アットホームな診療空間づくりを大切にしています。
その一方で、安心と信頼に応える医療を提供するために、最新の知識や技術を学び続ける努力を惜しまず、日々研鑽を重ねながら、より良い治療をお届けできるよう精進してまいります。

(患者さんとの関係性はこちら

現代の歯科医療は、科学的根拠に基づいた「エビデンス」を重視する時代へと大きく進化してきました。
統計データや研究結果をもとに治療方針を選択することで、医療の質を一定以上に保ち、安全性や再現性の高い治療を提供できるようになったことは、紛れもない事実であり、歯科医療全体にとって大きな前進であったと言えるでしょう。

しかしその一方で、数値や症例といったデータとして示されるエビデンスの枠の中では、患者さま一人ひとりが抱えている不安や恐れ、言葉にならない想い、そして切実な「こころの声」といった、人間ならではの繊細な部分が、どうしても置き去りにされてしまっているのではないかと感じることがあります。理論的には正しく、医学的にも合理的であっても、それが必ずしも目の前の患者さまの心に寄り添う医療になっているとは限らない、そんなもどかしさが、現代医療の中には確かに存在しているように思います。

現在、多くの歯科医師がこの「エビデンス優先型」の医療を実践し、目の前で困っている患者さまを何とか救おうと、両手を差し出し、真摯に向き合いながら日々努力を重ねています。その姿勢は尊く、決して否定されるものではありません。
けれども、科学的に正しい答えだけではどうしても救いきれないケースがあることも、また現実です。理屈では説明できない不安や孤独、言葉にできない苦しみを抱えた患者さまが、その差し伸べられた両手から、静かにこぼれ落ちてしまうことがあるのも、残念ながら避けがたい事実なのです。

本来、最も助けを必要としているのは、そうした「受け止めてもらえなかった」と感じている患者さまたちではないでしょうか。
ご自身の悩みや苦しみを表面的にではなく、ありのまま理解し、否定することなく丸ごと受け止めてくれる歯科医院を求めて、患者さまたちは懸命に探し続けています。
しかし、一人ひとりの心に深く寄り添い、その想いに真摯に向き合ってくれる歯科医師と出会える機会は、決して多くはありません。

今この瞬間も、自分の気持ちをわかってもらえる場所が見つからず、不安や孤独を抱えたまま彷徨い続けている方が、少なからずいらっしゃることを思うと、私は医療に携わる者として、深い悲しみと同時に、大きな責任を感じずにはいられません。


私は、現代の医療の主流となっている理論や効率を中心とした医療ではなく、何よりも患者さま一人ひとりの心の在り方に目を向け、その想いや背景に丁寧に寄り添う「想い優先型の医療」を、理想として掲げています。治療の正しさや合理性だけでは測ることのできない、人としての不安や恐れ、迷いに向き合うことこそが、本当の意味で人を支える医療につながると、私は考えています。

歯科医院に対して強い恐怖心を抱いており、必要だと分かっていてもどうしても一歩が踏み出せない方、あるいはこれまでいくつもの医療機関を訪ねても納得のいく説明や対応を得られず、誰にも頼ることができないまま途方に暮れている方など、歯科医療の現場には、行き場を失い、心身ともに追い込まれている患者さまが少なからずいらっしゃいます。そうした方々を前にしたとき、「何とかして力になりたい」「この苦しさを一人で抱えさせたくない」という強い想いこそが、私自身の医療人としての原動力となっています。

既存の医療体制の中では十分に受け止めてもらえなかった方々の痛みや、言葉にならない不安、誰にも理解されない孤独感までも含めて、丸ごと受け止められる人間でありたい。そんな一心から、私は放送大学大学院において、精神医学を基盤とした臨床心理学を学び始め、気がつけば10年以上という長い年月をかけて、その研鑽を積み重ねてまいりました。それは知識を増やすためだけではなく、人の心の奥深さを理解し、自分自身の在り方を問い続ける時間でもありました。

この臨床心理学を深く学ぶうえで、大きな転換点となった出来事があります。それは、私が41歳の時、年末年始の休暇を利用して自ら体験した集中内観でした。一週間という限られた時間の中で、自分自身の内面と徹底的に向き合い、過去の体験や感情、価値観を静かに見つめ直すこの深い体験は、技術や知識を磨くだけでは決して到達できない、「人の心に共鳴することの大切さ」を私に教えてくれました。そしてその気づきは、今もなお、患者さまと向き合う私の医療の根幹として、確かに息づいています。

(詳しくは院長紹介をご覧ください)


この「内観」という深い自己探求の時間を通して、私はそれまで十分にできていなかった、自分自身の内面を客観的に見つめ直すという、かけがえのない洞察を得ることができました。日常の忙しさの中では気づくことのなかった思考の癖や感情の動き、自分が大切にしてきた価値観を、静かに、そして正面から見つめ直す時間は、私にとって非常に大きな意味を持つ体験となりました。

それまでの人生や歯科医師としての歩みを振り返ったとき、恥ずかしながら、配慮に欠けていた言動や、思慮が足りなかった行動の数々が次々と思い起こされ、心の奥底から深い反省の念が湧き上がってきました。しかし同時に、その反省の気持ちがあったからこそ、今こうして歯科医師として生かされ、仕事に向き合う機会を与えられていること、そして私を支え、見守ってくださる周囲の方々や環境のすべてが、どれほど尊く、ありがたい存在であるかに気づくことができたのです。

私はこの経験を通して得た、「すべてのものに対する感謝の気持ち」を、決して心の中だけにとどめるのではなく、歯科医療という自らの仕事を通じて、ひとつひとつ丁寧に形にしていきたいと考えております。患者さまお一人おひとりとの対話の時間の中に、そして日々の誠実な診療や治療の積み重ねの中に、その想いを込めながら、真摯に歩み続けていく所存です。

どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます。

(令和六年十二月 記)



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